コールセンターには、正しく運用するための設計があらかじめ施されており、その運営状況を把握するための方法もさまざまです。今回は、コールセンター運用を総合的に点検・評価するための指標をいくつかご紹介します。
コール・ブロック率
ACDによるコールの自動振り分け機能を使いながらも、容量オーバーのコール発生でビジー状態(話中)となる割合。オペレーターの状況に合わせ、手の空いている席にコールを振り分けるACD機能が働いても、キャパを越えるコールが殺到すればビジーとなり、電話がつながらない状態を生み出します。この状況を改善するには、コールのピーク時間を正確に把握し、人員体制のテコ入れも含めた検討が必要です。
エラー率
全体のコンタクト数に占める不備対応の割合。オペレーターの技術的な処理ミスやエスカレーションに発展する様な処理の難しいクレーム、それに要した時間やコストなどを正確に割り出し、顧客不満やミスに伴うリソース・ロス、コストアップを把握します。操作手順に技術的な問題点があればそれを改善し、ミスの再発防止とサービス品質の強化を同時に図ります。
平均通話時間/平均後処理時間
平均通話時間とは、オペレーターひとり当たりどれくらい通話に時間を費やしているか、通話時間の平均値を指します。全体の平均時間を見ると同時に、オペレーター間にスキルのバラツキがないかを検証。平均値を下回るオペレーターに集中指導することで、全体のサービスレベルの底上げを図ります。また、運営リソース状況を算定する目安にもなります。
平均後処理時間とは、通話終了後、記録入力などの後処理にかかる時間の平均値です。後処理時間の空費による非効率性は、顧客不満度を高める要因につながりかねません。システムの見直しやスキル不足のオペレーター指導など、原因に合わせた平均後処理時間の短縮方法が求められます。
ちなみに、平均通話時間を平均後処理時間で割ったのが、平均処理時間です。この時間が短いほど、顧客サービスのリソースが確保でき、品質・効率性・コストなど、あらゆる面でプラス効果をもたらします。
次回のコラムは「コールセンターの能力値は、評価指数で分かる!」です。引き続き似た話題ですのでお楽しみに!