フリーランス志向の人が多い昨今、「独立すれば何でも自由にやれていい」というイメージが定着しています。しかし、果たしてそうでしょうか?独立開業には、組織に守られたサラリーマンとは違う悩みや苦労があるはず…。そこで今回は、税理士にスポットを当て、独立開業のメリットとデメリットを探ってみました。
税理士独立のメリットは?
税務の知識を武器に事務所を構えれば、自分の好きなイメージの戦略を描いて事務所運営ができます。税務に関する業務は税理士の独占業務ですので、独立することでプロフェッショナルの意識も高まるでしょう。
自分が経営者ということで、誰からも縛られず、働き方も自由です。数ある税理士の業務でも、自分の好きな分野や得意ジャンルに特化した業務に専念することも可能。税理業務の中でも1つの道を究める職人タイプの税理士を目指せます。
また、純粋な税理士業務に縛られる必要もありません。税務知識を武器に活動範囲を広げることも可能です。例えば、税に関する講演会を開いたり、子どもでも理解できる様分かりやすく解説した税の入門書を執筆したり、またはその知識を買われてテレビ出演などの依頼が来るかもしれません。「税の専門家」という立場を生かして自由に活動できることも魅力の1つです。
反対に、税理士独立のデメリットは?
もっとも大きな問題は、「稼ぐ力がないと生き残れない」ということでしょう。勤務タイプと比べ、年収も安定しませんし、何より自分の力で顧客を勝ち取っていかなければなりません。弱肉強食の士業の世界で生き残るには、営業力と交渉力、マーケティング分析のセンスがなければ、立ちどころに淘汰されてしまうでしょう。
さらに、税理士事務所はただ税務業務だけやればいいというわけではありません。事務処理や会計・税務ソフトの管理など、別方面の知識や実務能力も求められます。「税の計算は得意だけど、ソフトの管理などは面倒…」という方は、独立しても相当苦労するかもしれません。
独立開業には、メリットもあればデメリットもあります。自分の特性や適性を見極め、独立してもやっていける!という自信と強い意気込みを持つことが重要だといえます。