数ある士業の中でも、もっとも成功していて、高所得者のイメージが強い弁護士という職業。しかし、彼らを悩ますのが、毎年発生する高額な会費の負担です。軌道に乗れば高収入が期待できるといえ、度重なる会費の支払いに経営が圧迫される事務所も。弁護士が支払う会費についてフォーカスし、華やかさばかりでない法律事務所経営の実態に迫ります。

所属弁護士会によって異なる年会費

年会費といっても、日弁連や所属する弁護士会、さらに支部会があればその年会費も…といった具合に、弁護士が支払う会費は一つや二つではありません。多い場合は以下の会費を全て支払うことになる様です。

  • 日弁連(日本弁護士連合会)
  • 所属弁護士会
  • その支部会
  • 全国8カ所の高裁に応じた弁護士会連合会

さらに、所属弁護士会によって会費は大きく異なります。厚労省のHPによると、平成22年の最高年会費は、山口県岩国支部で何と1,178,400円!この支部に属する弁護士は、弁護士会に支払う会費だけで100万円以上の支出が必要になるわけです。

他の士業と比較してみると…

弁護士をはじめとする士業は、それぞれの所属団体に会費を支払う必要があります。税理士や公認会計士、司法書士などは一体どれくらいの会費を払っているのか見てみましょう。

  • 税理士会:10万円~15万円
  • 公認会計士協会」10万円~13万円
  • 司法書士会:20万円前後
  • 行政書士会:5万円~8万円

ちなみに、東京弁護士会の会費は59万6,500円(平成21年度)。いかに弁護士の会費が高額か、他の士業と比べたら分かるかと思います。

弁護士の費用

法律事務所もコストカットが必要?

弁護士が支払う年会費について説明してきましたが、数千万円を稼ぐ弁護士からすれば、これらの年会費は諸経費のうちかもしれません。しかし、事務所を開業したばかりで明日も見えない新米弁護士さんたちからすれば、どこかでコストを抑える努力をしなければ事務所経営もおぼつかないのではないでしょうか。

やはり法律事務所も経営のことを考えれば、コストカットは大切な課題といえるでしょう。例えば、事務員を直接雇わず、アウトソーシングで賄う方法はその課題を克服するうえで有効な手段。人材を募集・育成する手間とコストが省けて、多少なりともコスト削減に貢献できるでしょう。法律家といえ、事務所を軌道に乗せるには、合理的感覚と経営センスも大切です。