これから税理士を目指す方へ
将来、税理士として働こうと考えるなら、資格を取得する必要があります。その方法はいくつか用意されていますが、いずれも容易ではありません。計画的に準備を進めるためにも、税理士を目指す人は、その内容や要求される条件についてしっかり把握しておきましょう。
税理士試験を受ける
税理士になるための方法としては、税理士試験に合格することが最も一般的です。試験は毎年行われていますが、学歴などについて一定の受験資格が設けられています。
試験は5科目の筆記試験であり、簿記論など会計学から2科目と所得税法など税法から3科目が出題されます。全ての科目において6割以上を得点する必要があり、高い専門性が求められる試験です。
ただし、全科目について同時に合格しなくて大丈夫です。合格点に達した科目は有効期限がありません。最終的に全てクリアすれば問題ないため、しっかりと計画を立てて試験勉強を進めれば資格取得を目指せます。
税務署で働く
試験を受ける以外に、税務署など税務に関わる職場で働くという方法があります。実務経験を重ねたうえで指定された研修を受ければ、税理士の資格取得は可能です。
しかし、職場での実務経験は23年以上が求められます。税務署に就職しても、数年で資格取得の道が開けるわけではありません。学生の方が学校を卒業したら税理士として働きたいと考えているなら、適切な方法とはいえません。
この制度は、多くの場合、実際に税務署などで何十年も働いていた人が利用しています。税務署の仕組みをよく理解しており、その知識が税理士の業務に生かされるケースも少なくありません。
公認会計士から転身する
公認会計士の資格を取得すると、税理士としても業務を行えます。公認会計士の試験では、法律や会計など税理士の仕事に通じる知識が問われるためです。学歴などの受験資格はありませんが、非常に難易度の高い試験であるためしっかりした準備が欠かせません。
また、試験に合格した後、2年以上の業務経験を積んでから修了考査に合格する必要があります。公認会計士になる道も平たんではないため、やはり一定期間を費やして順々にハードルをクリアしていく計画性が求められます。