在庫量や商品ラインナップを慎重に選びましょう

ネットショップを成功させるために、何を売るかという商品の選定作業は欠かせません。しかし、売れる商品を見つけるだけでは不十分です。妥当な値段をつけないと商品は売れず在庫の山に埋もれてしまうので、有効な仕入れ方法も把握しておく必要があります。そこで今回は、商品選びの注意点や仕入れ先の探し方など、ショップ運営を始める前に知っておきたいポイントについてご説明します。

慎重に仕入れをするネットショップの男性

余剰在庫を抱えないための注意点

通常の店舗販売と同じく、ネットショップの商品管理においても品切れは望ましくありません。ユーザーの期待に応えられなければ、顧客離れを招く恐れがあるためです。しかし採算性を考えると、大量に在庫を抱える事態は避ける必要があります。

余剰在庫を持たないためには、仕入れ量の調整が欠かせません。数回の注文だけで大量に仕入れていたら、すぐに運転資金が不足してしまうでしょう。昨今では多くの業種において、以前と比較してヒット商品の開発が難しいといわれています。たとえ一時的に注文数が増えたとして、人気が出たと見なし大量注文に備えて仕入れてしまうと、余剰在庫になるリスクが大きく、賢い選択とはいえません。

同時に注文の取りこぼしも防がないと、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまいます。なかなかヒット商品が生まれない要因について、趣味や価値観が多様化したためという声も少なくありません。人気商品の誕生を待っているより、できるだけ多くの注文に対応できるレベルで扱う商品の種類を増やした方が得策でしょう。

現状では、ひとつの商品に大量の注文が殺到することは、さほど期待できません。注文状況を冷静に分析して仕入れを調整しながら、豊富な品ぞろえにより多彩なニーズに応えていく。その様な手堅い商品展開の戦略が賢明と考えらます。

オリジナリティを求めるなら手作り商品

商品数が多くても、同じものを多くの店舗が扱っていると、ユーザーは大して魅力を感じないでしょう。商品の内容に独自性があると、他のショップとの違いをアピールする効果が期待できます。有効な方法のひとつが、オリジナル商品の仕入れです。

手作りされたオリジナル商品

最近は、プロの作家・職人でなくても小物雑貨やアクセサリーを手作りしている人は少なくありません。顧客のニーズや生産コストを考えなければならない既製品とは違い、製作者の好みを反映しやすい点は特徴のひとつといえるでしょう。ハンドメイドならではの独特の雰囲気も、統一規格の機械生産には求められません。

手作り作家に直接受注すれば、既製品にくらべて原価が抑えられることもあります。メーカーの希望価格は設定されていないため、製作者と相談をして、他店では扱っていない商品を入手しやすい値段で販売できるでしょう。作る人にとって大量生産は難しく量産体制を望まないことも考えられ、在庫状況を見ながら必要に応じて少しずつ作成を依頼できる点もメリットとして挙げられます。

手作りの場合、まったく同じものは二度と作れないともいわれます。ユーザーは、「唯一無二の商品を見逃せない」と考えてくれるかもしれません。閲覧数の向上に貢献できる意味でも、オリジナル商品の仕入れはおすすめです。

簡単に売れるものは見逃せない

ショップを運営する以上、商品が売れなくては困ります。扱う商品を選ぶ際、あまり競合せず比較的売りやすいものを見出しておくことも必要でしょう。

たとえ人気のある商品でも、売り上げに貢献できるとは限りません。生産が追い付かず、仕入れに苦労するリスクが少なからず存在するからです。注文が殺到しても、在庫を確保できず出荷が間に合わなければ、顧客からの信頼を失ってしまうでしょう。

一方、ありふれた日用品は需要がなくなる心配はありません。消耗品は、一定期間が経過すれば確実に使い切ると予想できます。寿命の長い商品より早く消耗するものを選んだ方が、回転率は良くなるでしょう。

実店舗で普通に売っていても、ネットショップで扱っていない商品を見つければ、ヘビーなネットユーザーに喜ばれるかもしれません。ただし、これらも一般的に使用期限などがあると考えられるので、大量注文は危険です。

仕入れ先の探し方

商品のラインナップが決まったら、どこから仕入れるか考える必要があります。品ぞろえが良くても、市場の相場価格より値段が高ければ購入してもらえないでしょう。少しでも安く仕入れた方が、商品の販売価格も抑えられます。扱う商品だけでなく、卸業者など仕入れ先の検討も欠かせません。

仕入れ先を選定する代表的な方法は、以下の通りです。

  • インターネットで卸業者や問屋を検索
  • 個人作家の紹介サイトにアクセス
  • メーカーが出品する見本市などを見学
  • 直接、メーカーに問い合わせ
  • Webサイトの仕入れサービスを確認

卸業者から仕入れる場合、一般的に現地まで足を運び、仕入れ価格や最低注文数などの取引条件の確認や手続き書類の準備が必要です。作家やメーカーとは、直接交渉になるでしょう。一方、仕入れの専門サイトは、オンライン上で取引できます。幅広いジャンルを扱っているうえ、登録料などが無料のサイトもあり、ネットショップの運営経験がない人にはおすすめです。

予算に見合った卸値で仕入れられる取引先を見つけ、ユーザーの興味を呼び起こす魅力的な商品を集めれば、在庫は山積みにならないでしょう。ネットショップ運営を成功させるために、ぜひ仕入れ先についても調べながら準備を進めて下さい。