「新商品の便利な機能を教えて欲しい」
「定期購入の支払い方法を変更したいのだけれど、どうすればいい?」
この様な類いの問い合わせを受付け、迅速かつ的確に回答を提示するのがコールセンターの務めです。そのコールセンターの後ろには、さまざまな組織があり、それぞれのオーダーを受け、顧客との間を取り次いでいます。今回は、ハブ機能としてのコールセンターの役割について考えてみます。
コールセンターの目的と役割
顧客と企業内のあらゆる部署とをつなぐ場所。それがコールセンターです。このハブ機能こそが、お客様と企業のスムーズな情報伝達・コミュニケーションを可能としています。
企業には、さまざまな部署があります。経理部、営業部、企画開発部、宣伝広報部など、多くの組織が体系的・有機的に動いて一個の企業組織を形成しています。コールセンターのポジショニングは、各組織とお客様との間、つまり顧客対応の最前線に立つインタラクティブ・コミュニケーションのハブ機関です。
販売部からは、「商品に関する正しい知識を持って、お客様からの問い合わせに迅速に対応する」というオーダーを受け、その応対責任を果たしています。また、法務部からは、「契約内容や条件についてきちんと確認すること」というタスクを授かり、お客様の不安や疑問を解消。各組織のワーク・プロセスを理解し、情報・知識を共有するひとりひとりのオペレーターが、このハブ機能を支えています。
コールセンターを評価するのは運営?お客様?
コールセンターは、運営が主体となって全体のマネージメントを統括しています。運営は、さまざまな指標を使って総合的に運用状況やサービス品質を点検・評価し、コールセンター機能の充実と強化に取り組んでいます。自社または第三者機関が行うミステリーショッパーもその一環として位置づけられるでしょう。
しかし、運営側による評価指標を使った点数やモニタリング評価は、あくまで「参考数値」です。運営側の評価基準が、必ずしも顧客評価につながるわけではありません。そのサービスを利用するか、商品を購入するかの決定権は顧客にあることを考えると、コールセンターの評価は、“お客様が決める”といえるのではないでしょうか。効率性を上げることも、サービス品質を求めることも、すべてはお客様を満足させるため。コールセンターの目的と役割も、そこに集約されるでしょう。