ヒット商品を生み出す手法、ご紹介します
どんな企業でも、必要となるのがマーケティングです。「市場調査」と言う言い方もされますが、その手法はさまざまです。とくに昨今は、ネット環境の拡大・普及にともない、マーケティングのアプローチも多様化し、質的な変化も起きています。今回は、さまざまなマーケティングの方法をご紹介します。
プロダクトマーケティング
プロダクトとは、「製品」のこと。つまり、より多くの消費者に受け入れられる製品作りの前提となる、対象顧客に関するさまざまな情報の収集作業がプロダクトマーケティングです。プロダクトマーケティングとよく対比される言葉に、プロダクトマネジメント(生産管理)があります。
プロダクトマネジメントは、製造現場あるいは商品開発現場における生産活動の管理プランを構築するための手段と位置付けられます。これに対し、プロダクトマーケティングはより外向きのマーケティング、つまり消費者の好みの傾向やニーズ、世代別の消費傾向など幅広くリサーチし、見込み客をターゲティングする作業と言えるでしょう。
たとえば、化粧品市場は20代~50代の女性客がコアな層で、その属性をターゲットに市場調査を開始します。その中でもっとも効果的な販売方法を模索し、ヒット商品の誕生を狙います。当然、このプロセスにおいて幼い子どもや男性の趣味・志向などのデータは排除されます。
e-マーケティング
インターネットを活用したマーケティング活動を、e-マーケティングと言います。エレクトロニック・マーケティングが本来の呼称です。
インターネット技術の急速な進歩により、あらゆる企業活動においてネット戦略は重要視されます。世代性別問わず、ネットユーザーも世界的に急増している傾向の中、これをマーケティング活動に使わない手はないと言えるでしょう。
具体的なe-マーケティング活動としては、以下の様なものがあります。
- 顧客を含む消費者を対象としたアンケート調査
- 別サイトに広告を出稿して販売し、利益をシェアするアフィリエイトマーケティング
- 国や地域、所属団体などに合わせて最適のコンテンツを提示するジオターゲティング
また、個人レベルのユーザー相手に広告表示する手法も、e-マーケティングならではの特徴です。個人がネット検索で特定のキーワードを入力すれば、それに関連した広告が意思に関係なく表示されます。こうしたミクロ的アプローチによるマーケティングは、インターネット技術によって生み出された新しい手法と言えるでしょう。
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは、広告を出す(伝える)ことより、レスポンス(反応)を獲得することに重点をおいたマーケティング手法です。1度に大量の情報を流すマス・マーケティングとは異なるアプローチで、イメージではなくよりセールス色を打ち出した広告戦略が立てられます。主にITや自動車、金融業界で適用されることが多いです。
ダイレクトマーケティングを採用する企業は、広告予算を経費と捉えません。マーケティングに注ぎ込まれた資金は投資として扱われ、顧客の獲得で回収することを前提に予算が組まれます。利益を見込んだ投資額のため、的確なマーケティングを行えば大きな成長も期待できる手法です。
マーケティングリサーチ
もっとも一般的な市場調査が、マーケティングリサーチです。顧客のニーズを丹念に調べ、そのデータをもとに商品の開発や販売計画を組み立てます。
魅力ある商品を生み出すには、まず顧客を知らなければなりません。ニーズを捉えた商品・サービスを開発することで、効果的な経営資源の投入が可能となります。マーケティングリサーチは、この「顧客を知る」活動がすべてと言っても過言ではありません。
顧客情報は、待っているだけでは何も収集できませんので、情報が入る仕組み作りを企業サイドが行わなければいけません。具体的には、下記の様なリサーチ手法が企業マーケティングに生かされています。
- アンケート用紙への記入
- 意見箱
- 試食コーナー
- お試しサンプルの配布
- 品評会や座談会の開催
- 展示会
- ミステリーショッパー(覆面調査)
- テレマーケティング(電話・ネットによるアンケート)
- 街頭調査
また、「お客様相談窓口」や「サポートセンター」などに寄せられる問い合わせや質問、苦情、意見なども貴重な情報源です。これらのサービスはマーケティング活動が目的ではないものの、顧客やユーザーから寄せられた生の声であることは間違いありません。顧客を知るうえで大切な情報であり、広い意味でのマーケティングリサーチであるとも言えます。
すべての企業活動は、マーケティングからはじまる
マーケティングのさまざまな手法や考え方をご紹介しました。マーケティングは、製品開発やサービス活動を円滑に進めるための基本作業で、家の工事に例えるなら住居を支える基礎部分に該当します。驚くべき企画や突飛なアイディア商品の誕生の影で、情報を細かく集め、分析する地道な作業が存在します。その様な視点で世間にあふれる商品を見ると、違った魅力が感じられるのかもしれません。